清掃の引き継ぎで、いちばん抜けやすいこと
3年同じ現場を担当していると、その現場ならではのクセが、頭の中にたまっていきます。これが、引き継ぎでいちばん抜けやすい部分でした。
「現場のクセ」は、言葉にしにくい
たとえば、ある商業施設の窓清掃には、こんなクセがあります。
「東側ガラスは午前中だと逆光で汚れが見えない、午後にもう一度確認」
「自動ドアの右側だけ、月末になるとセンサーの感度が落ちる」
「2階のトイレ、土曜は混むので12時前に完了させたい」
これ、マニュアルに書くほどのことじゃないけど、知っているとずいぶん仕事が違うんです。
でも、引き継ぎの時間に、これを全部言葉にして渡すのは無理でした。
引き継ぎは、いつも時間が足りない
スタッフが交代するとき、ふつうは1日くらいの引き継ぎ時間を取ります。
新人さんと一緒に現場に入って、ベテランが手順を見せて、質問に答える。
でも、1日で全部のクセを伝えるのは、まあ無理なんですよね。基本の手順だけで時間が終わってしまう。
細かいクセは、新人さんが実際に半年くらい現場に入ってから、自分で気づいて覚えていく。これに、いつももやもやしていました。
「現場のクセ集」を、AIで蓄積し始めた
それで、ふだんの現場で気づいたクセを、その場でスマホに音声でメモするようにしました。
「あ、これ、新人さんに伝えたいやつだ」と思ったら、その場で30秒録音する。それだけ。
1ヶ月くらいたつと、メモが20〜30件ほどたまります。
それを月末にAIに渡して、「現場名ごとに分類して、ポイントを1行にして、似たものはまとめて」と頼む。
すると、20施設ぶんの「現場のクセ集」が、A4で1〜2枚にまとまって返ってくるんです。
引き継ぎが3分の1になった
このクセ集ができてから、引き継ぎの時間がだいぶ短くなりました。
基本手順はマニュアルで、現場のクセはこのA4で、両方を読んでから現場に入る。すると、新人さんが「初日からだいぶ落ち着いている」状態になります。
半年かけて自分で気づくはずだったクセを、最初の週に持って入れる。これが効きました。
暗黙知は、放っておくと消える
ベテランが現場を離れる時に、いちばん怖いのは、「言葉になっていない知恵が、本人と一緒に消えてしまうこと」です。
書類にも、マニュアルにも残らない知恵。本人にしかない「あの現場のあのクセ」。
これを残さずに人が抜けると、次の人がまたゼロから3年かけて気づき直すしかない。チームとして、すごくもったいないんですよね。
クセは、毎日30秒で残せる
AIを使う前は、「クセを書き出すなんて、1ヶ月くらいかかる作業だな」と思っていました。
でも実際にやってみると、毎日30秒の音声メモを30日続けるだけで、1冊のクセ集ができたんです。
本気の作業時間より、毎日のすき間時間の積み重ねの方が、知恵としては厚くなる。
このやり方が見つかってから、現場の引き継ぎで「だいぶ抜けたまま渡している感じ」が、ずいぶん減りました。チームの記憶を残す仕組みを、ちゃんとととのえることができたみたいです。
清掃やバックヤードの仕組みを、もう少しととのえたい方へ。
「うちの現場はこんな感じで」と、一言だけ送ってください。
仕組みの話から、ご一緒します。