1人で全部やるのに、エンジニアを雇わない理由

1人で全部やるのに、エンジニアを雇わない理由

案件が増えても、エンジニアやデザイナーは雇いません。1人でやり続けることに、ちゃんとした理由があります。

ととのえる屋には、わたし1人しかいません。

仕事の内容は、HP制作・LP制作・AIコーチング・清掃の現場・ギター教室・市場調査・記事の執筆。これを、ひとりでやっています。

「人を雇わないんですか?」と聞かれることが、最近増えてきました。とくに、HP制作の案件が増えてくると、「エンジニアを1人入れたら倍できますよ」と言われる。

うん、わかるんです。たぶん雇った方が、売上は伸びる。でも、雇わないことを決めています。今日はその理由を書きます。

理由1:仕事が「混ざらない」と意味がないから

わたしの仕事は、HP制作だけじゃないし、AIコーチングだけでもないし、清掃だけでもないんです。

ぜんぶが混ざって、ひとつの仕事になっている。

たとえば、AIコーチングをしているお客さまから「うちのHPもお願いできますか?」と来たときに、わたしの中ではコーチングの会話の中で出てきた「この会社の本当の強み」がそのままHPの言葉になります。

これがもし、HPを別のエンジニアが作るとなると、わたしがコーチングで掴んだ感覚を、エンジニアに「言葉で説明する」必要が出る。

でも、こういう感覚って、たぶん言葉では伝わらないんですよ。「あの社長の、月曜の朝の声のトーン」みたいな部分がHPの語感に出る、みたいな話を、第三者に正確に伝えるのは無理なんです。

だから、わたしが1人で全部やるしかない。これが理由のひとつめ。

理由2:雇うと、自分の仕事が「管理」に変わる

人を雇った瞬間、わたしの仕事は「現場をやる人」から「人を管理する人」に変わります。

これは、清掃業をやってきた経験で痛いほどわかっています。

清掃の方では、過去にスタッフ30人を抱えていた時期があるんですけど、その時期のわたしは、現場に立つ時間より、シフト調整・指示書作成・トラブル対応・経理処理に時間を使っていました。

それは別に悪いことじゃないんです。会社としては正しい。でも、わたしがいちばんやりたかったのは「現場に立つこと」だった。

ととのえる屋は、まさにその「現場に立つ仕事」をやり直すために始めた会社なんです。だから、雇わない。

理由3:AIで、人を雇うのと同じ効果が出るから

「でも1人だと限界あるでしょ?」と聞かれるんですけど、ここがいまの時代のおもしろいところで、AIがあるから1人でもけっこう回るんですよ。

たとえば、わたしの裏側では、AIが毎朝ニュースを集めてくれて、市場分析をしてくれて、投稿候補を3つ作ってくれます。これって、昔だったらマーケ担当者を1人雇わないとできなかったことです。

HPのコーディングも、AIに「この内容で、こういうデザインで」と渡すと、ベースを作ってくれる。わたしはそれを微調整するだけ。これも、昔だったらエンジニアを雇うしかなかった部分。

つまり、人を雇わなくていいような環境が、たまたまいまできているんです。これに乗っからない手はない。

「拡大しない」と決めることの強さ

これは商売としては逆張りなんですけど、わたしは「拡大しない」と決めています。

年に3社まで、月の顧問は5社まで、HPの制作は月2本まで。この上限を、ぜったいに超えない。

なぜかというと、上限を決めると、「断る」ができるようになるからです。

断れる商売って、強いんですよ。「お引き受けできるかどうか、まず相性を見させてください」と言える。お客さま側からすると、「ちゃんと選んでくれてる感」が出る。

逆に、なんでも引き受ける商売は、お客さまから見ると「誰でもいいから受けたい人」に見えてしまう。これは、信頼の通貨を逆向きに削ってしまう。

雇わない、を10年続けると何が起きるか

仮にこのまま10年、1人でやり続けたとして、何が起きるかを考えてみたんです。

たぶん、「あの人にしか頼めない」になる。

10年同じ人と話してきた、10年同じ人がHPを作ってきた、10年同じ人が清掃に入ってきた、という関係性って、たぶん代替不可能になるんですよね。

会社が大きくなっていくのとは、別の方向の強さ。深さでスケールする、という言い方をすることがあります。

うちは、深さでスケールする方を選んでいます。

雇わない、は人を否定してるんじゃない

ひとつだけ、誤解されないように書いておくと、「雇わない」は別に「人を雇うのが悪い」と言っているわけじゃないんです。

雇って大きくする会社は、それはそれで尊いし、わたしも前職では雇ってきました。

でも、ととのえる屋というブランドは、「1人がぜんぶ見ている」ことが付加価値の中身そのものなんです。だから、雇わない。

これは戦略というより、ブランドそのもの。雇った瞬間に、ととのえる屋ではなくなる。そういう感覚があります。

うん、そんな感じで、1人のサイズをととのえています。

この種の整え方を、自分のお店や会社でも試してみたい方へ。
「うちの場合はどうかな」と一言、送ってください。
仕組みからお話しします。

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